Works制作実績

対話の時間は長く、お互いの距離は短く。 名刺交換を「コミュニケーションの場」 にするデザイン

デザインスタジオ・エル 名刺

Graphic

Concept

自分たちらしさを表現する名刺をつくる

デザインスタジオ・エルは、今年6月の自社サイトリニューアルに合わせ、名刺デザインも一新しました。メンバー個々のイラストを中心に据えたデザインになっています。私たちは「らしさをデザインする」をテーマに取り組んでいる会社。自分たちが使うツールでも、メンバーそれぞれの個性を反映させよう、ということになりました。イラストのタッチは、自社ロゴのカリグラフィーテイストに合わせることで、エルならではの雰囲気に仕上がったと思います。

Design

ロゴも使いたいし、せっかく作ってもらったイラストも入れたい。バランスの取り方を考えながら、配置を検討していきました。
いろいろ並べてみた結果、表面にイラストとパーソナルな情報、裏面にロゴと会社情報を置くというレイアウトを考案。レイアウトのルールを統一することで、メンバーの個性がより浮き彫りになります。
イラストを大きくしすぎるとエルのロゴよりも印象が強くなってしまうため、余白を十分に取り、空気の通り道をつくりました。イラストが横なのに対し、肩書は縦書きになっているのも特徴の一つです。

Material

ヴァンヌーボを採用

旧名刺はケント紙という、画用紙と同じ素材の紙を使っていました。書き心地がありそうな手触りが好きだったので、その素材感と似たものを選びました。ヴァンヌーボは厚みがあり、黒と光沢が綺麗に出るという特徴を持っています。ロゴもイラストもモノトーンのタッチだからこそ、黒が映えるものがいいなと考えました。色は旧名刺と同じ「白」。旧名刺の白には少し青みがかかっていたのに対し、新名刺の白には少し黄色がかっていて、明るい印象があります。

Communication

コミュニケーションツールとしての名刺

名刺は自分の所属・名前・連絡先などを伝えるツールですが、私たちはそれだけでなく、名刺交換の場をコミュニケーションが生まれる場、つまり「コミュニケーションツール」として位置づけました。ですから、単に見た目を整えるモノとしてのデザインだけではなく、名刺交換の場でコミュニケーションを発生させるコトのデザインを目指したのです。

実際、名刺交換の際に、イラストの話題に触れてもらえることがほとんどです。硬くなりがちな儀式の中で、ちょっとした会話が生まれることで場と空気が融解し、その後のやりとりの体温が上がるのが実感できます。また「どんな人?」が印象づけられ、クリエイターとしてのキャラクター醸成にも寄与してくれるでしょう。

ひとりひとり違う名刺であることで、名刺交換しているうちに相手側が徐々にザワついて、交換し終わったあと盛り上がりのピークがくる、みたいなことがよくあります。人数が多いほど効果倍増で、その場にいる人全体でコミュニケーションが生まれるなんてこともありました。

初対面同士が集まった際、雑談などで緊張を解いたりする「アイスブレイク」という手法がいろいろありますが、特にネタを仕込まずとも、名刺交換の場がアイスブレイク的な役割を果たしてくれて、もともとシャイで物静かなメンバーが多い僕たちにとっても、思いがけない課題解決でした。

Project Data

Client
自社ツール
Launch Date
2022.06
Industry
 
Desinger
山岸明日香
Director
ハラヒロシ