らしさとは?を楽しく学ぶ

ウル虎の巻

-エルくんに相談シリーズ その五-安くしないと、選ばれないんですかね?

リフォーム会社・理乃戸さんのモヤモヤ、エルくんに相談。

相見積もりを出すたびに、価格で負ける。「丁寧な仕事をしている自信はある。でも、それが伝わらない」。創業15年のリフォーム会社を営む理乃戸さんは、そのモヤモヤを抱えたまま、エルくんに話を聞いてもらうことにした。

今回の相談者

「腕には自信がある。なのに、選ばれない。」

理乃戸 翔さん(54歳)は、長野市内でリフォーム会社を営んで15年になる。スタッフは5人。キッチンや浴室のリフォームから、古民家の大規模改修まで、幅広く手がけてきた。

仕事へのこだわりは強い。目に見えない部分の下地処理を丁寧にやる、施工中に気になったことはすぐ施主に報告する、工事後のアフターフォローも欠かさない。完成した現場を見るたびに、「いい仕事ができた」と思う。

でも、相見積もりになると負けることが多い。大手のリフォーム会社や、新規参入の格安業者と並べられて、価格だけで判断される。「うちは丁寧だから」と言いたいが、見積書には丁寧さは載らない。値引きすれば受注できるが、それでは利益が出ない。

「このままでいいのか、でも何を変えたらいいのか……」

エルくん、理乃戸さんの相談を受ける

理乃戸さん
理乃戸さん
相見積もりで、価格で負けることが多くて。やっぱり値段を下げないといけないんですかね……でも正直、下げたくないんですよね
エルくん
エルくん
ではさっそく価格を見直して、もっと安くするでござる!コストを削減して——
舵取社長
舵取社長
待て。理乃戸さん、なぜ下げたくないんですか
理乃戸さん
理乃戸さん
下げたら、それに見合った仕事しかできなくなる気がして。手を抜きたくないので
舵取社長
舵取社長
そこです
エルくん
エルくん
価格じゃなくて、仕事へのこだわりの話でござるな?

「丁寧さって、どう伝えればいいんですか」

ホウホウ長老
ホウホウ長老
理乃戸さん、手を抜きたくない、とおっしゃった。具体的には、どういうことですかの
理乃戸さん
理乃戸さん
目に見えない部分の下地処理を丁寧にやるとか、施工中に気になったことはすぐ報告するとか。完成したあとのアフターも欠かさないとか
ホウホウ長老
ホウホウ長老
その話、お客さんに会う前に伝えていますかの
理乃戸さん
理乃戸さん
現場に入ってから、やって見せる感じで。事前には特に
エルくん
エルくん
……あ
ホウホウ長老
ホウホウ長老
相見積もりの段階では、理乃戸さんのこだわりは何も伝わっていない。お客さんは価格しか比べるものがないのじゃ。つまりーー
ベイ・ハクライ
ベイ・ハクライ
プライスコンペティションはコモディティゼーションのシンプトムであり、ブランドエクイティのラックがバーゲニングパワーをディミニッシュしているステートでごじゃる!

(誰も拾わない)

ホウホウ長老
ホウホウ長老
……つまり、価格で比べられているのは、価格以外の判断基準がお客さんに届いていないからじゃ
理乃戸さん
理乃戸さん
価格以外の判断基準……ですか
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そうじゃ。紹介で来るお客さんは『あそこは丁寧だよ』という情報を持っている。だから価格だけで判断しない。でも、何も知らないお客さんには、その情報がない。見積書だけで判断するしかないのじゃ
エルくん
エルくん
紹介で来る人には伝わっているのに、初めての人には伝わっていない……でござるな

「でも、丁寧さって数字にできないじゃないですか」

理乃戸さん
理乃戸さん
でも……丁寧さって、どうやって伝えればいいんですかね。数字で出せるものじゃないし
エルくん
エルくん
では施工事例の写真をたくさん載せるでござる!ビフォーアフターで——
舵取社長
舵取社長
それだけじゃ足りない
エルくん
エルくん
……でござるか
ホウホウ長老
ホウホウ長老
理乃戸さん、一つ聞かせてほしいのじゃ。目に見えない部分の下地処理を丁寧にやると言っておられたが、なぜそこにこだわるのですか
理乃戸さん
理乃戸さん
表面だけきれいにしても、下地が悪ければすぐ傷む。10年、20年後も持つ仕事をしたいんですよね。お客さんに長く使ってもらいたいから
ホウホウ長老
ホウホウ長老
それじゃよ
エルくん
エルくん
え……それ、でござるか?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
『20年後も持つ仕事をしたい』——これは価格表には載らない言葉じゃ。でも、この言葉を聞いたお客さんはどう思うじゃろうか
理乃戸さん
理乃戸さん
……安さより、長く持つことを大事にしてくれる業者だと思うかもしれないですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そうじゃ。価格で選ぶお客さんと、長く持つことを重視するお客さんは、そもそも違うお客さんなのじゃ。理乃戸さんが届けたいのは、どちらのお客さんじゃ
理乃戸さん
理乃戸さん
……後者ですね。間違いなく
ホウホウ長老
ホウホウ長老
ならば、その言葉を届ける場所が必要なのじゃ。あなたの"らしさ"はすでにある。ただ、まだ知らない人に届いていないだけじゃ
エルくん
エルくん
価格を下げるんじゃなくて、届ける相手を変える……でござるな
舵取社長
舵取社長
それだ
理乃戸さん
理乃戸さん
なんか、ずっと間違った相手に向けて値引きしてた気がします
エルくん
エルくん
理乃戸さん、一緒に届け先を作っていくでござる!
理乃戸さん
理乃戸さん
はい、よろしくお願いします!

帰り道、現場を思い出した。

打ち合わせの帰り、理乃戸さんは車を走らせながら、昔の現場のことを思い出していた。

古民家のリフォームで、床下の湿気対策を施主に言われてもいないのにやっておいたことがある。後から気づいた施主が「こんなところまで見てくれてたんですね」と言ってくれた。その現場は今でも、お客さんが遊びに来るたびに名前を出してくれる。

「そうか。あのとき伝わったのは、金額じゃなかった。」

価格で勝負しようとしていたのに、本当に伝えるべきものは別のところにあった。それを言葉にして、知らない人にも届けることができたら——そう思うと、少し先が見えた気がした。

「安くしないと選ばれない」は、本当ですか。

価格で負け続けているとき、多くの方が「もっと安くするしかない」と考えます。でも、価格で選ばれている状態は、価格でしか差別化できていない状態でもあります。

値引きで受注できても、次もまた値引きを求められます。その繰り返しでは、いい仕事を続けることが難しくなっていきます。

「安くしないと選ばれない」のではなく、「あなたの価値が、届くべき人に届いていない」だけかもしれません。伝えたいことが言葉にならなくていい。一緒に整理することができます。あなたの"らしさ"は、ちゃんと届けられる形にできます。

よくある質問

価格競争から抜け出すには、何から始めればいいですか?
まず「なぜその仕事にこだわるのか」を言葉にすることから始めます。その言葉が、価格以外で選んでもらうための土台になります。
施工事例の写真を増やしても効果がない気がします。
写真だけでは「何ができるか」は伝わっても、「なぜあなたに頼むべきか」は伝わりにくいです。写真に加えて、こだわりや姿勢を言葉で伝えることが必要です。
地方の小さなリフォーム会社でも相談できますか?
もちろんです。むしろ地域に根ざした会社こそ、らしさが強みになりやすいです。まずはお気軽にご連絡ください。

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