らしさとは?を楽しく学ぶ

ウル虎の巻

-エルくんに相談シリーズ 壱の巻-うちって、他の設計事務所とどう違うんですかね

設計士の基礎柱さんのモヤモヤ、エルくんに相談。

設計の仕事には自信がある。でも他の事務所との違いを聞かれると、なぜか言葉に詰まる。そんなモヤモヤを抱えた設計事務所の基礎柱さんが、エルくんに話を聞いてもらうことにしました。

今回の相談者

「いい仕事はしてるはず。なのに。」

独立して8年。基礎柱 剛さん(44歳・一級建築士)の設計事務所は、スタッフ3人、紹介ベースでコツコツ仕事を積み上げてきた。

手がける住宅はどれも、施主とじっくり時間をかけて作るもの。素材の選び方、光の入れ方、10年後・20年後の暮らしまで想像しながら設計する。完成した家に住み始めた施主から「本当によかった」と言われることが、この仕事の醍醐味だと思っている。

でも、Webサイトからの問い合わせはほとんどこない。来ても、「とにかく安く早く建てたい」という人だったりする。

「紹介だけじゃ、いつか限界がくる。でも何を変えたらいいのか……」

知人に「ブランディングをやっているデザイン会社に相談してみたら」と紹介されたとき、正直ピンとこなかった。ブランディングって、大企業がやるものじゃないのか。でも話だけでも聞いてみようと、西和田設計室の扉を開けた。

エルくん、基礎柱さんの相談を受ける

基礎柱さん
基礎柱さん
えっと…Webサイトからの問い合わせがほとんどなくて。来ても、「とにかく安く早く建てたい」っていう感じで。やっぱり写真が少ないとか、そういうことですかね
エルくん
エルくん
ではさっそくWebサイトに写真を追加するでござる! 施工例もどんどん増やして——
舵取社長
舵取社長
ちょっと待て
エルくん
エルくん
しゃ、社長…!?
舵取社長
舵取社長
基礎柱さん、問い合わせが来ても合わない人が来るってことですか?
基礎柱さん
基礎柱さん
そうなんです。来ても"安くて早い"を求める人で。うちはそういうやり方じゃないので、お断りすることも多くて
舵取社長
舵取社長
エル、であれば写真の問題じゃないだろう
エルくん
エルくん
…でござるよね(なんとなく感じてたでござる…)

「違いってなんですか」

ホウホウ長老
ホウホウ長老
なにやら難しい顔をしておるな
エルくん
エルくん
基礎柱さんが、Webサイトから「来てほしいお客さん」ではない問い合わせしか来なくて困っておられるでござる。写真を追加しようとしたら社長に止められたでござる…
ホウホウ長老
ホウホウ長老
ふむ。基礎柱さん、少し聞かせていただけるか。あなたにとって"いい家"とは?
基礎柱さん
基礎柱さん
はい。10年後に、もっと好きになれる家。新築のときより暮らしながら味が出てくる家、というか。素材もそうだし、間取りもそうだし、そういうことを一緒に考えたい人と家づくりができるのが理想ですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
それは今のWebサイトに書いておられますか?
基礎柱さん
基礎柱さん
会社概要と施工例と、あとはお問い合わせフォームくらいで…
エルくん
エルくん
…あ
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そういうことじゃ。基礎柱さんのWebサイトには、"基礎柱さんが誰と仕事をしたいか"が一行も書かれておらん。つまり——
ベイ・ハクライ
ベイ・ハクライ
イット・イズ・ア・ターゲットセグメンテーション・ミスマッチでごじゃる! バリュープロポジションがアンディファインドで、インバウンドのコンバージョンをエクスペクテーションするのはロジカリー・インコンシステントでごじゃる!

(誰も拾わない)

ホウホウ長老
ホウホウ長老
つまり、"呼びかける相手"を決めないまま発信している、ということになりますな
基礎柱さん
基礎柱さん
なるほど。声をかける相手を、そもそも考えていなかったってことですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そう捉えていただければ、と思うのじゃ
基礎柱さん
基礎柱さん
自分では当たり前すぎて、書くことだと思ってなかった…

「うちの強みって、どこですか」

基礎柱さん
基礎柱さん
でも正直、他の設計事務所と比べて何が違うのかって聞かれると、うまく答えられないんですよね。こだわってるつもりだけど、それって言葉にならなくて
エルくん
エルくん
言葉にできない!素敵!それは言葉にしなくていいでござる!そのままの気持ちで——
舵取社長
舵取社長
言葉にしろ
エルくん
エルくん
…でござるよね…
ホウホウ長老
ホウホウ長老
基礎柱さん、一つお聞きしたいのじゃ。"ローコストで早く建てたい"というお客さんを断るとき、どんな気持ちになりますかの?
基礎柱さん
基礎柱さん
罪悪感はないです。むしろその人が別の会社でうまくいってほしいと思います。自分たちは自分たちのやり方でしか、いい仕事ができないので
ホウホウ長老
ホウホウ長老
それじゃよ
エルくん
エルくん
え…それ、でござるか?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
"自分たちのやり方でしか、いい仕事ができない"これは弱みではなく、強みじゃ。むしろ、それを明確に言えることが、基礎柱さんの事務所を選ぶべき人を引き寄せる言葉になる。じゃが——
基礎柱さん
基礎柱さん
…伝えてなかった、ですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そういうことじゃ。あなたの"らしさ"は、すでにそこにある。ただ、言葉になっていなかっただけじゃ
エルくん
エルくん
"らしさ"は新たに作るものじゃなくて、もうあるものを一緒に見つけるものでござるな
舵取社長
舵取社長
そうだ
エルくん
エルくん
基礎柱さん、一緒に見つけていくでござる!
基礎柱さん
基礎柱さん
はい!よろしくお願いします

霧が、少し晴れた気がした

打ち合わせが終わって、基礎柱さんは帰りの車の中でぼんやり考えていた。

写真が少ないのが問題だと思っていた。Webサイトが使いにくいのかと思っていた。でも、そういうことじゃなかったのかもしれない。

自分がどんな仕事をしたいか。どんな施主と一緒に家を作りたいか。そのことを言葉にして、ちゃんと外に向けて発信したことが——一度もなかった。

「そうか。伝えてなかっただけか。」

なんでこんな当たり前のことに気づかなかったんだろう、という気持ちと、でもこれは変えられる、という気持ちが、同時にやってきた。

「あなたの設計哲学が届くべき人に届く」ために

「うちは特別なことをしていないので」とおっしゃる方がとても多いです。でも、その"普通"の中に、あなたの仕事にしかない哲学が必ずあります。

「Webサイトからいい問い合わせが来ない」は、デザインや写真の問題ではなく、「誰に向けて声をかけているか」が伝わっていない問題であることがほとんどです。伝えたいことが言葉にならなくていい。一緒に整理することができます。あなたの"らしさ"は、ちゃんと届けられる形にできます。

よくある質問

Webサイトからの問い合わせが少ないのは、デザインや写真の問題ですか?
ほとんどの場合、デザインや写真より前に「誰に向けて発信しているか」が伝わっていないことが原因です。まず言葉の整理から始めることをおすすめしています。
設計事務所にブランディングは大げさではないですか?
むしろ設計事務所こそブランディングが効きやすい業種です。あなたの設計哲学や施主との向き合い方は、それ自体が他社との差別化になります。それを言葉にして届けるのがブランディングです。
「自分たちらしさ」が何かわからない状態で相談してもいいですか?
それが一番多いご相談です。言葉にならない状態でもまったく問題ありません。ヒアリングを通じて一緒に整理していきます。まずはお気軽にご連絡ください。

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制作・監修

デザインスタジオ・エル

ブランディングデザイン会社|長野

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