Project社内プロジェクト

新改装計画、始動!

こんにちは、デザイナーの吉池です。
今年の8月にエルに入社してから、3ヶ月ちょっとが経ちました。

最近は仕事前やお昼にコーヒーを飲んだり、リフレッシュも兼ねてカフェ風のラウンジスペースでたまに仕事をしたり。
“働きやすさ向上”を目指してリフォームされたオフィスを、目一杯活用しています。

「なんて仕事が捗りそうな空間なんだろう」と、
初めてオフィスに足を踏み入れた時の感動を超えてくる、居心地の良さです…。

そんなオフィスリフォームから約1年が経った今。
新たに、次の改装計画が動き始めています!

階段にギャラリースペースをつくろう!

エルのオフィスには、メンバーが制作したポストカード、詩・短編集、フォトブック、エルのフリーペーパーやグッズなどを置くスペースがあります。
また、オフィスの一角にメンバーが撮った写真やイラストが飾られていたり、ちょっとしたギャラリースペースも。

それらをもっと拡張して、イラストや写真に限らず、様々なクリエイティブをアウトプットして展示したり、
大きな額装やパネルも展示できるようにしたらどうだろう?
1Fがフォトグラファーのスタジオ、2Fが写真好きやイラスト好きが集まるデザイン会社ということで、
その間をつなぐエントランスと階段の空間もクリエイティブな場所にすれば、このビルにさらなる一体感が生まれるのでは?

そんな考えのもと、今回の新改装計画が走りだしました。

その名も「ニシワンダーランド」!
命名は、同じビルの1Fスタジオにいる、フォトグラファーの大井川さんです。

エルの住所でもある「西和田」という地名が由来になります。
(もともと西和田には関心が深く、僕が入社するよりずっと前、ウルトラエルというサイトを作るときの案として西和田.jpみたいな案があったほどだとか)

こうして、ニシワンダーランドプロジェクトは誕生しました。

「クリエイトを軸に、人が集まる楽しい場所」

名前も決まり、構想を練るにあたって、まずはエルのメンバー全員で「ニシワンダーランド」について広げるだけ広げます。
広げた風呂敷を畳むことは一旦忘れます。

そもそもターゲットは誰なのか?何を展示するのか?空間のコンセプトはどんなものにするべきか?
膨らむアイデアの中から生まれるキーワードはどれも面白いものばかりです。
「ワンダーランド感」「非日常」「異世界」「カオス」「ステンドグラス」…etc.
全てをそのまま表現するわけにはいきませんが、少しずつ議論をしながら形を整えます。

今回のプロジェクトに携わるのはエルのメンバーだけではありません。
フォトグラファーの大井川さん、設計士さんとも意見を交換しながら、さらに内容を詰めていきます。

その第一歩として、まずは文章でニシワンダーランドのコンセプトを表現しました。

“ものづくりする人にとって刺激になる場所であり、「作品を飾る」ことの素晴らしさを味わえる場所。”

大勢の方へ向けたギャラリーとは少し違い、いまのところは誰でも入れるようなオープンな空間とは考えていません。
ですが、ちょっとした展示会を行なってみたり、ニシワンダーランドが「クリエイトを軸に、人が集まる楽しい場所」になったらいいなと思っています。

こうして、コンセプトが少しずつ固まってきました。

次はいよいよニシワンダーランドのロゴ制作に着手します!

ニシワンダーランドのロゴができるまで

これまでの経緯やコンセプトを踏まえ、ついにニシワンダーランドのロゴが決定しました!

メンバーが様々な案を出し合い、議論を重ね、最終的にデザイナー・海野さんのロゴが正式に採用されました。
「DESIGN STUDIO L」のアルファベット D,E,S,I,G,N,T,U,O,l で形作られたロゴは、
エルが今まで積み重ねてきた形や歴史を大切にしつつ、別の新しい一面を表現しています。

実は、今回ロゴを制作するにあたり、「にしわんだーらんど」という名前は決まっていたものの、表記の仕方までは定まっていませんでした。
どのような表記にするか。そこから、デザイナーそれぞれが思い描く“ニシワンダーランド”のイメージを形にしていきました。

たとえば、

西和田の区画をグラフィック化したロゴ
国際音声記号を用いたロゴ
階段という特徴をビジュアルに落とし込んだロゴ

など、正式なロゴにはならなかったものの、聞いていてワクワクするような案が次から次へと出てきます。
さらに、これらの作品も「せっかくならギャラリーに飾ろう!」という声があがり、
ギャラリーお披露目と同時に、「それぞれが考えるニシワンダーランド」というテーマをもとに個性あふれる作品が並ぶことになりました。

また、コンセプトでもある「作品を飾ることの素晴らしさを味わえる場所」として、誰もが気軽に展示に参加できる企画も同時進行中です。
完成が楽しみですね…!

工事が完成しました!

各々が展示物の制作を進める中、ついに階段リフォームの工事が完成しました。
階段の床の塗装を剥がされ、無骨なコンクリートが剥き出しになってから経つこと5ヶ月。
(無骨な感じもカッコよかったです)

毎日登る場所だからこそあまり意識していなかったものの、
いざ改装が終わるとガラッと雰囲気が変わり、出社するたびにワクワクしながら階段を登るようになりました。

でも今回お見せする写真はほんの一部です。
全体像は、せっかくなので作品とロゴが飾られてから。

お披露目は、各地で働いているエルのメンバーが本社に集まって展示を行う予定です。
メンバーは遠くて京都から足を運ぶので、ちょっとした一大イベントになります。

その時の様子も載せられたらと思いますので、次回の更新をぜひお楽しみに。

展示作業開始

各地からメンバーが集まり、いよいよお披露目前の展示作業が始まりました。
事前に印刷工程は済ませており、展示のための額や素材も準備済み。
スペースを譲り合いながら、着々と各メンバーの作品が飾られていきます。

この時初めて目にする作品もあり、普段の仕事とは少し違う「クリエイティブ」の楽しさを改めて感じました。

お昼にはランチタイム。
事務所のトースター1つでは間に合わず、オーブンレンジと二台体制で大量のパンをリベイクしました。
(気分はパン屋です。)

ランチタイムの後も、展示作業に取り掛かります。
デザイナーの作品だけでなく、ライターやエンジニア、さまざまな作品が少しずつ飾られていきます。

展示途中の様子もまた作品、そう感じるほどクリエイティブ溢れる濃い日でした…!

お披露目

各メンバーが思い思いに制作した作品を飾り終え、ついに「ニシワンダーランド」がお披露目となりました!
実制作や本格的に動き出したのは昨年の冬頃ですが、構想自体は昨年の9月頃から始まっていますので、感慨深い気持ちでいっぱいになります。

ようやく完成したギャラリーの全ての作品を見ていただきたい気持ちはやまやまですが、
今回はその中から、各デザイナーが思い描く“ニシワンダーランド”のイメージを形にした作品を、コンセプトとともにご紹介します。

吉池
ロゴは、かたちが変化するデザインとし、自由な発想や多様な表現を受け止めるギャラリーを象徴しています。
また、作品群を模したミラーを実際にボードに貼り、空間を映し出すことで、これからも変化していく「にしワンダーランド」の世界を体感できる演出にしてみました。

海野
アルファベットで形作られているロゴをベースに、ロゴの成り立ちを伝えるグラフィックを制作しました。デザインともアートとも捉えられる、絶妙なポジションの作品だと感じています。手作業でインクを乗せて刷るアナログな手法でありながら、大量印刷が可能な「シルクスクリーン印刷」で、自分なりにデザインとアートについて向き合いながら形にしました。

百瀬
私の制作したロゴは、「音(発音)だけが決まっていて、表記は自由」というニシワンダーランドの特徴を表現し、国際音声記号で表記しました。この作品でも「音」を視覚化したいなと思い、メンバーに録音してもらった「ニシワンダーランド」音声をメルスペクトログラムに変換し、標本のように飾っています。QRコードから自作のメルスペクトログラム描画アプリを開けるので、自分の声がどんな形かぜひ試してみてください。

栗原
元々作ったロゴが「上下逆さまで一見文字が読めない」という特徴を持っているため、「視点を変えることで、新しいものを発見する」というアイデアを連作で表現できないかと考えました。モチーフとして黒と白のように真逆の性質をもつ「パンダ」を選び、一枚目は通常のパンダに加え、ロゴを「ニシワンダーランド」と読めるよう180°回転して配置し、2枚目ではロゴを本来の向きにすると同時に、パンダの色を白黒反転させています。

次に向けて

今回、このプロジェクトを通して、普段の仕事ではあまり見ないメンバーの一面も垣間見え、
さらにはこうして実際に空間に作品が飾られることによって「ものづくりってやっぱりいいなあ」と、あらためて感じさせられました。

とはいえ、これで終わりではありません。
むしろここから、この空間にさまざまな作品が飾られ、「クリエイトを軸に、人が集まる楽しい場所」として、もっともっと可能性が広がっていったらいいなと思っています…!

事務所の前を行き交う人がフラッと立ち寄る……のは立地的にかなり難しく、今は誰でも入れるようなオープンな空間ではありません。
それでも、「ニシワンダーランド」を通じて、社外にも発信していけるような企画には可能性を感じています。

今回のお披露目は、ひとつの区切りではありますが、まだここはスタート地点です。
これまで、プロジェクトの始動から完成までを発信してきましたが、今後もこの「ニシワンダーランド」を軸にした新たな企画が生まれるたびにご紹介していきますので、次のプロジェクトもどうぞお楽しみに!

ギャラリーで記念写真。いい笑顔です。

Photo : Chihiro Matsumoto
(素敵な写真をありがとうございます!)