NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

葉隠

新渡戸稲造『武士道』の中でも紹介されている『葉隠』。佐賀・鍋島藩士でのちに出家した山本常朝が武士の心得を説いた記録です。仕事、人付き合い、生き方、嗜み、リーダーシップ…など、よりよく生き、仕事に活かす処世術・実用書といえますね。
武士道といふは、死ぬ事と見付けたり。
二つ二つの場にて、早く死ぬかたに片付くばかりなり。
別に仔細なし。
胸すわって進むなり。

葉隠の関連本でわかりやすかった『図解 葉隠―勤め人としての心意気』。生きるか死ぬかの分かれ道で迷ったとき、常に死ぬほうへと胸が据わっていく(心を落ち着かせる)のが武士道で、ダメでもいいからやってみる。大変な道だが、道が開けると。”生きるか死ぬか”とは武士のいない現代では大げさな表現ではあるのですが、理屈抜きで「やってみる」が道をひらいていくという肌感覚は、僕のなかに確かにあります。
葉隠 ─まんがで読破─ 』でもいいシーンがあります。人の一生は短い。一瞬一瞬の積み重ね。このことを得心できれば毎日雑多な出来事にうろたえることなく、真に自覚的な生を得ることができる。一般的には己の一瞬を軽んじて他に別の人生があるように思いそれを探し回る(不自覚な生)。しかし、己の現在の一瞬に徹する以外に手はない。一瞬を完全に我が物にして生きる、これが「道」の最後の極意であると。