NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

九州計画

まだまだ幕末勉強中ですが、歴史を学ぶことは見方を学ぶことだなぁ、とつくづく思います。『明治維新とは何だったのか』半藤一利さんと出口治明さんによる幕末・維新史の対談ですが、予備知識をもってのぞむと、意外な視点があちこちに散りばめられていることに気づき、見方の幅はすごく広がりました。たとえば、以下はインデックスの一部。

  • 200年続いたマイナス成長が質素な日本文化を生んだ
  • 薩長が徳川への恨みを晴らした暴力革命
  • 戊辰戦争は東北諸藩の反乱ではなく防衛戦争
  • 最初に「日本人」を自覚した勝海舟
  • グランドデザイナーとしての大久保利通
  • 薩長同盟を実現させた桂小五郎の性格
  • 伊藤・山県の権威づけに利用された吉田松陰
  • 西南戦争後にシビリアン・コントロールを外した山形有朋
  • 大日本帝国は薩長がつくって薩長が滅ぼした
  • 開国というカードを捨てたのが近代日本の過ち
  • 薩長がはじめた太平洋戦争を「賊軍」が終わらせた

薩長の著名な人物に対するそれぞれの評価はさまざま。悪い評価に「小物」「売れ残り」「無能」「最大の陰謀家」「一番のワル」「八方美人」…なんていうストレートな表現もとびだして痛快ですらあります。「西郷どん」を思い出しながら当てはめていくとイメージ通りだったりそうでなかったりと、それがすごく面白い。「見方」という意味では、薩長のリーダーだけでなく、阿部正弘や勝海舟といった、幕府側の人間がどう考え行動したのかを見ることのほうがより深く明治維新を理解できる、というくだりに納得感がありました。歴史観はそれぞれ。同じテーマでさまざまな文献を読むことは、これからも自分の知識欲を刺激し続けることでしょう。九州楽しみです。