NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

1分間エンパワーメント

社員の力で最高のチームをつくる―〈新版〉1分間エンパワーメント読了。

エンパワーメントとは、自律した社員が自らの力で仕事を進めていける環境をつくろうとする取り組みです。社員の中で眠っている能力を引き出し、最大限に活用することをめざしています。(中略)エンパワーされた社員は、組織と自分自身の両方に利益をもたらします。(中略)エンパワーされた職場をつくろうとする経営者は、全社員が自らの責任感に導かれて最善を尽くせるような支援的な発想に頭を切り替えなくてはなりません。

チーム力、組織力を高め、社員にオーナーシップを持たせるための意識改革のありかたを説いた本。エンパワーメントは人に力を与えるのではなく、眠っている力を引き出すこと。星野リゾートの星野佳路社長が監訳で、事業を受け継ぎ、事業改革・経営していくにあたり大切な教科書であったという一冊です。非常に実践的です。あとがきでの星野社長の経験談は、試行錯誤を尽くしたとても具体的なお話で、勇気をもらえます。

[第一の鍵] 正確な情報を全社員と共有する
[第二の鍵] 境界線を明確にして自律的な働き方を促す
[第三の鍵] 階層組織をセルフマネジメント・チームで置き換える

心に留めたいメモ

  • 社員がオーナーシップの感覚をもつ。すべて自分ごととして主体的に向き合う
  • 部や課といった業務別組織ではなく、プロジェクトチームやクロスファンクショナルチーム、セルフマネジメントチームを管理する
  • 部下が才能やエネルギーを発揮すること、ゴールに向けて効果的に動けるように支援する
  • 上司が部下のために仕事をするようになる
  • 社員が必要とするのは、会社の必要かつ正確な情報
  • 正確な情報をもっていれば責任ある仕事をせずにはいられない
  • 上司に頼らないで仕事をする方法を部下に教える
  • 枠組みとは、自分たちで決めることができ、決めたことに従って行動してもいいという自律を促す境界線
  • 社員に情報が与えられ、自分の現状がわかるようになってくると、境界線は行動を制約するものではなくなり、行動を正しく導くガイドラインとなる
  • 個人の役割や目標、仕事の進め方を決めるのは、経営陣と社員の共同作業。全体図と部分図を同時に書く
  • ミスが発生したら、まずなんとしても修復し、次にミスから学ぶ
  • チームがセルフマネジメント型に変わるとき、マネージャーの仕事は社員を訓練すること
  • 成果発揮の段階になるとチームのなかにある多様性が価値を持ち始める
  • マネージャーは自ら決定するのではなく、チームが意思決定するのを助けるファシリテーターの役割

3つの鍵を簡潔にまとめるとしたら

  • 情報を与え、責任と主体性を持って行動してもらう
  • 仕事や役割の境界と、自分で管理する領域を明確にする
  • 階層組織から、自発的に意思決定し行動できるチームに変える

率直に思うのは、自分が目指したい組織・チームも、まさにこれだということでした。メンバーが自分の力を発揮し、権限をもって、自分の判断で仕事をすすめていくチーム。自分はそれを後押しする。大事なのは、この取り組みはトップダウンで行わなくてはならないということ。常に傍らに置いておきたい1冊です。