幕末雄藩列伝
幕末の全体像がだいぶ見えてきたので、次のアプローチは「雄藩」。
雄藩(ゆうはん)とは、江戸時代の日本における勢力の強い藩のこと。経済力や政治力のある有力藩に対する呼称。
江戸時代初期は、石高(表高)が大きい藩や金・銀などの鉱山を所有する藩、新田開発で裏高が大きくなった藩など、特に経済力の大きい外様の藩について「雄藩」と呼ばれた。加賀藩(100万石)、薩摩藩(77万石)、仙台藩(62万石)などが代表例である。
『幕末雄藩列伝』は、14の雄藩を例に、藩の実権を握った人々を中心に描き、激動の幕末の時代に藩という組織がどうやって決断を下していくのかが書かれています。偉業、恭順、裏切り、墓穴、誇り…各藩の明暗分かれる諸事情を垣間見ることができて非常に面白いです。大きくても判断を間違った藩もあれば、小さくても義を通した藩もある。幕末というと偉人を中心に語られることが多いですが、ひとつの時代が揺れ動くなかで、藩ごとに様々な立場があり、その中にいる人の想いも様々。思い通りにいかないこともあるなかでのあらゆる判断、決断、タイミング。やっぱり命運を握るのは結局は「人」であることに戻ってくる、そんな印象を持ちました。
自分自身も、会社、家族、家族、地域など、それぞれのコミュニティのなかでそれぞれの立場をとりながら生きています。そういう状況新ためて思い浮かべてみると、結局、組織やコミュニティのなかでなにかを動かすのはやっぱり人なのだなと感じます。
幕末雄藩列伝 (角川新書)
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