堀直虎めぐり
地元・須坂市にある奥田神社・須坂藩居館跡 ~ 田中本家博物館の企画展『「直虎」須坂の殿様と田中本家』と、須坂藩13代藩主・堀直虎めぐりをしてみました。
奥田神社は堀直虎が祀られてる…ということは須坂市民でさえもほとんど知らなかったのではないでしょうか。「NHK大河ドラマ・おんな城主 直虎」をきっかけに、別人の直虎なれど注目されるきっかけになったことはラッキーなことです。僕にとって奥田神社といえば、中学校の帰り道に道草するところぐらいしか意識がなく…苦笑。小中高と、学校で習った記憶もないです。
このあたりは須坂藩の館跡。須坂藩は一万石の小大名だったので、城ではなく館。奥田神社を中心に、須坂小学校、須坂東高校あたりまでの敷地を占めていたと書いてあります。いまさらではありますが、地元の神社のことを知ることができてよかったです。
お次は豪商の館・田中本家博物館へ。
いくまえに館長・田中新十郎氏とFacebookでやりとりし、案内役をしてくれることに。入り口につくと、事務所のほうから颯爽と登場する館長。中学で同じクラスになって以来、30年来の友人ということになりますか。館長自ら案内役をしてくれるという友人特典。
※館内の写真撮影とブログ利用は館長の許可済
須坂藩の殿様のモノはほとんど残っていないようで、須坂藩と密接な関わりをもっていた田中本家でさえも数えるほどしか所蔵品がなく、須坂市内の個人宅から鉄砲や手紙などを借りたりして、なんとか今回の企画展にこぎつけたとのことです。もっと所蔵品が残っていたら須坂の観光に貢献してくれるのに…と思うと、ちょっと寂しいですね。
須坂藩主は、文武両道で学問・武術・芸術に優れた人が多かったということは、所蔵されている書や絵を見るとわかります。館長が特に感銘を受けたというのが直虎が21歳のときにしたためたというこの『六言二句』。
正しい忠義に生きる者は、多くは君主の意見に逆らうものであり、
不正な心でおもねる者は、多くは君主の意見に素直に従うものである。
これはまさに、将軍・慶喜に諫言した直虎の生きざまそのものだったなと思わせます。
また、行く末厳しい状況の幕府において、自身の信念を貫くために苦悩していたことがうかがえる「五言絶句」も読み応えあります。
直虎は軍事改革に力を入れていて、いちはやくイギリスの西洋軍隊に入ったそうです。洋服を取り入れ、自らを「Straight Tiger」と名乗るなど、先進的な考えをもって、西洋をかなり意識していたようです。
一人で見ていたらさーっとスルーしていきそうなところ、館長のわかりやすい解説のおかげでとても充実した観覧ができました。