〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
ケヴィン・ケリー (著), 服部 桂 (著, 翻訳)
WIRED創刊編集長による話題の本、やっと読了。今後30年を形作ることになる12の不可避なテクノロジーについて記された本。その不可避さはテクノロジーが内在的にもつ物理法則からくるもので、これから30年のトレンドはそこから持続的に生み出されていくという。その絶え間ない変化によって、固定した名詞の世界(形あるもの)から流動的な動詞の世界(サービスやプロセス)にうつっていく。それらの変化は12の動詞(現在進行形)の以下の分類に分けられる。
BECOMING
COGNIFYING
FLOWING
SCREENING
ACCESSING
SHARING
FILTERING
REMIXING
INTERACTING
TRACKING
QUESTIONING
BEGINNING
膨大な事例をもとにひとつひとつ未来予測が記されていきますが、すさまじい洞察力。これらのテクノロジーはすでに日常生活でその不可避さを確かに実感しているけれども、まだそれは始まったにすぎない。それらの変化がこれからどのように「なっていく」のか、これから日々過ごしていく中でアンテナを張ることができるでしょう。毎日のようにテクノロジーに関するニュースやサービスに触れているので、それらを読み解くフックになるはずです。「永遠の初心者」という表現にあるとおり、僕らは常に新しいテクノロジーの前に初心者に戻される。それは決して居心地の良いことばかりではないけれども、これからずっとその絶え間ない変化のなかで、「初心者になる」を受け入れることで成長していくのだという心構えが必要そうです。
“人間の歴史の中で、何かを始めるのに今ほど最高の時はない。今こそが、未来の人々が振り返って、「あの頃に生きて戻れれば!」と言う時なのだ。まだ遅くはない。”
説得力ある一文。30年得した気分。