手塚治虫「虫の標本箱」
油やでの「ハコ入り御多佳楽市」には、ユニークな掘り出し物がたくさんありました。目に留まったのが手塚治虫の「虫の標本箱」というボックス。手塚治虫の昭和20年代の単行本を5冊セットで復刻(1998年)したもので、復刻にあたっては当時最高の印刷技術を駆使して可能な限り原本に近い復刻をしたものだとか。一部作品においては、一冊数十万円もする原本を分解して1ページずつコンピューターで修整を施したというぐらいの力の入れよう。新品なのに原本のような古めかしい雰囲気なのでちょっと不思議に感じます。ボックスの内容は「武蔵坊弁慶」、「地球の悪魔」、「ファウスト」、「魔法屋敷」、「地底国の怪人」の5作品。ちなみにこのセットで1,000円という格安価格で手に入れました。
それにしても手塚治虫ってすごいなぁ…。特に構図、アングル、コマ割りの大胆さったら。擬音が横向きや天地逆に配置されていたり、コマとコマの間の余白部分を登場人物が掴んでみたり、コマの線が直線じゃない装飾で施されていたり…なかにはセリフを読者に考えさせたりなんてことも。なんて創造的なんでしょう。