サラリーマン合気道
気鋭のクリエイティブディレクター・箭内道彦氏が導く仕事術。MACPOWERでの連載コラム「クリエイティブ合気道」の本とは違った実用書です。”自分の弱点を生かす逆転の発想術”というコンセプトで、目次の項目を眺めると「アイデアは書き留めない」とか「プライドや個性を進んで捨てる」とか「イエスマンになる」などなど、一見”あれっ?”って思うような、つまり普通の実用書にありそうな超ポジティブで崇高なメッセージとは逆のアプローチが多いことに気づくのですが、読み進めているうちに、クリエイター(まるで全能の神みたい…)と呼ばれるがゆえのプレッシャーとか呪縛から開放されるような気持ちになります。
私自身も、自分のことを個性がないとか、つまらないとか、口下手だとかいろいろ悩むこともありますが、そんなこと考えるから逆に不自由になってしまうんだ、ということを教えてもらったような気がします。
テレビとかで見る箭内さんって見た目も仕事ぶりもなんて個性的なんだろう、という佇まいですが、この本のタイトルとのギャップを感じて読んでみたら、その逆転の発想術こそ箭内さんの今を形成しているのであり、”個性がない”と思っている人こそ読んでみて、実践できる内容じゃないかと思います。
サラリーマン合気道―「流される」から遠くに行ける 箭内 道彦 (著)