NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

グーグルに勝つ広告モデル マスメディアは必要か

「グーグルに勝つ広告モデル 岡本一郎 (著) 」を週末に読みました。
Web側にいると、どうしても「マスメディア崩壊論」、「インターネット万能論」という論調を聞く機会が多いような気がしますが、この本の著者はそれを肯定していません。たしかに、既存4マスメディアの広告費は下がる一方ですが、その中で非常に客観的な論点からどう広告モデルを確立していったらよいかということを論じていて、インターネットとマスメディアの比較の方法が面白いなと思いました。
特に、テレビや新聞などのメディア・コンテンツビジネスは限られた”時間”を奪い合うということと、過去(の名作)と競合するビジネスであるという見方に興味を持ちました。時間は限られている中でコンテンツは増え続け、人口が減り、さらに過去のコンテンツと競合したりオンデマンドになることよって、当然ながら広告への接触率はどんどん下がるわけです。同業との競争ではない部分でコンテンツが食われているという認識は必要だと思います。
それから、副題にある「マスメディアは必要か」という部分については、民主主義形成に重要であるという点、言論機関には偶発接触性が求められるという点、価値観の共有という点においての説得力が大きいです。
インターネットが他媒体を侵食するなかで、マスメディアの重要性を再認識することができると思いますし、メディアに携わる人は読んでおいて損はないと思います。

url Amazon.co.jp : グーグルに勝つ広告モデル 岡本一郎 (著)