らしさとは?を楽しく学ぶ

ウル虎の巻

-エルくんに相談シリーズ その参-SNSがあれば、Webサイトはいらない?

レストラン経営者・阿留さんのモヤモヤ、エルくんに相談。

Instagramのフォロワーは順調に増えている。料理の写真も好評で、「いいね」もたくさんもらえる。なのに、なぜか新規のお客さんが増えない。阿留さんは、そのモヤモヤを抱えたまま、エルくんに話を聞いてもらうことにした。

今回の相談者

「SNSはやってる。でも、なぜか届かない。」

阿留 伝手さん(38歳)は、長野市内でイタリアンレストランを営んで7年になる。料理へのこだわりは誰にも負けない。地元の農家から仕入れる旬の食材、季節ごとに変わるメニュー、常連客との顔なじみの関係——それが自分の店の強みだと思っている。

Instagramは2年前から始めた。毎日とはいかないが、料理の写真や季節のメニューを週に数回投稿している。フォロワーも少しずつ増えて、「おいしそう」「行ってみたい」というコメントももらえる。

でも、新規のお客さんが思ったより増えていない。「行ってみたい」と言ってくれた人が、実際に来てくれているのかどうかもわからない。営業時間や予約方法をDMで聞いてくる人もいるが、毎回同じことを返信するのも手間だ。

「SNSをちゃんとやっているつもりなのに、何が足りないんだろう……」

エルくん、阿留さんの相談を受ける

阿留さん
阿留さん
Instagramはちゃんとやっているんですけど、新規のお客さんがなかなか増えなくて。やっぱりフォロワーをもっと増やすべきでしょうか
エルくん
エルくん
ではさっそくフォロワーを増やす施策でござる!毎日投稿して、ハッシュタグを工夫して——
舵取社長
舵取社長
待て
エルくん
エルくん
し、社長……!?
舵取社長
舵取社長
エル、フォロワーより先に聞くことがあるだろ
エルくん
エルくん
な、なんでござるか……?
舵取社長
舵取社長
阿留さん、『行ってみたい』とコメントしてくれた人が来られない理由、心当たりはありますか
阿留さん
阿留さん
うーん……予約方法がわかりにくいのかもしれないですね。DM以外の手段がないので。あと、営業時間とかアクセスも、プロフィール欄に書くのが限界で

「見てもらえると、選んでもらえるは違う」

ホウホウ長老
ホウホウ長老
お困りごとかの?
エルくん
エルくん
阿留さんが、Instagramで『行ってみたい』と言ってもらえているのに、なかなか来てもらえなくて困っておられるでござる。フォロワーを増やそうとしたら社長に止められたでござる
ホウホウ長老
ホウホウ長老
ふむ。阿留さん、少し聞かせてもらえますかの。『行ってみたい』と思った人が、次に何をすると思われますか
阿留さん
阿留さん
……お店を調べる、でしょうか。場所とか、予約できるかとか
ホウホウ長老
ホウホウ長老
その人は、どこで調べるじゃろうか
阿留さん
阿留さん
地図アプリとか……Webサイトを探すかもしれないですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そうじゃ。SNSで興味を持ってもらえた。でも『行こう』と決める瞬間に、その人はもっと詳しく知りたくなる。予約方法、営業時間、アクセス、お店の雰囲気——そういう情報を、落ち着いて確認できる場所を探すのじゃ
阿留さん
阿留さん
そこにWebサイトがないと……
ホウホウ長老
ホウホウ長老
他の店に行ってしまうかもしれないのじゃ
エルくん
エルくん
……あ
ホウホウ長老
ホウホウ長老
SNSは"出会いの場"じゃ。でも『この店に行こう』と決めてもらうには、もう一つ別の場所が必要になることがある。つまり——
ベイ・ハクライ
ベイ・ハクライ
カスタマージャーニーにおけるアウェアネスステージからコンシダレーションステージへのトランジションをサポートするオウンドメディアのランディングポイントがミッシングリンクになっているでごじゃる!

(誰も拾わない)

ホウホウ長老
ホウホウ長老
……つまり、SNSは流れるメディアじゃ。どれだけ丁寧に投稿しても、時間とともに埋もれていく。Webサイトは残る資産じゃ。何年も前に書いたことが、今日も誰かに読まれている
阿留さん
阿留さん
SNSは流れる、Webサイトは残る……ということですか
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そういうことじゃ
エルくん
エルくん
なるほどでござる。SNSで出会ってもらって、Webサイトで『行こう』と決めてもらう、でござるな!

「GoogleマップとInstagramで十分では?」

阿留さん
阿留さん
でも、Googleマップにはちゃんとお店の情報を載せているし、口コミも増えてきていて。Instagramと合わせれば、Webサイトがなくてもいい気がするんですよね
エルくん
エルくん
たしかに!GoogleマップとInstagramがあればWebサイトはいらないでござる!——
舵取社長
舵取社長
本当にそうか
エルくん
エルくん
……え?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
阿留さん、少し考えてみてほしいのじゃ。GoogleマップもInstagramも、ルールを決めているのは誰じゃ
阿留さん
阿留さん
GoogleとMeta、ですよね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そうじゃ。アルゴリズムが変われば、急に見られなくなる。アカウントが突然停止されることもある。それはあなたがコントロールできないことじゃ
阿留さん
阿留さん
たしかに、Instagramのアルゴリズムが変わったとき、急にいいねが減って焦ったことがありました
ホウホウ長老
ホウホウ長老
Webサイトだけが、あなた自身の資産じゃ。プラットフォームのルールに左右されない、自分の場所を持つことの意味はそこにあるのじゃ
エルくん
エルくん
借り物の土地に店を建てるか、自分の土地に建てるか……でござるな
ホウホウ長老
ホウホウ長老
それだけではないのじゃ。GoogleマップやInstagramで伝えられるのは、場所・写真・口コミじゃ。でも『なぜこの店をやっているか』『どんな思いで料理を作っているか』——そういう人としての奥行きは、そこでは届けにくい
阿留さん
阿留さん
言われてみると、口コミには『おいしかった』は書いてもらえるけど、うちのこだわりとか、なんで地元の食材にこだわっているかとか、そういうことは全然伝わっていないですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そこがブランディングの話になってくるのじゃ。選んでもらうのではなく、この店だから来たいと思ってもらう。その違いを生むのが、あなたの"らしさ"を届ける場所じゃ
エルくん
エルくん
『見つけてもらう』だけじゃなく、『この店だから』と思ってもらうために必要なものでござるな

「でも、Webサイトって管理が大変じゃないですか」

阿留さん
阿留さん
実は以前、開店のときにWebサイトを作ったんですよ。でも更新が追いつかなくて、気づいたら放置状態になってしまって……
エルくん
エルくん
それなら最初からSNSだけでいいでござる!更新が楽でござるし——
舵取社長
舵取社長
逆だ
エルくん
エルくん
また逆でござるか……
ホウホウ長老
ホウホウ長老
阿留さん、放置になってしまったWebサイト、何が書いてありますかの
阿留さん
阿留さん
コースメニューとか、お店の紹介とか……でも今とメニューが全然違うので、見られると逆に困るくらいで
ホウホウ長老
ホウホウ長老
なるほど。すべての情報を更新しようとするから追いつかなくなるのじゃ。Webサイトに載せるべきは、変わらない情報と、変わっても困らない情報じゃ
エルくん
エルくん
変わらない情報、でござるか?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
お店のこだわり、大切にしていること、どんなお客さんに来てほしいか——そういうことは、そう簡単には変わらんじゃろ。メニューは季節で変わっても、その店の"らしさ"は変わらないのじゃ
阿留さん
阿留さん
……たしかに。毎日の料理の写真はInstagramでいい。でも、うちの店がどういう店かというのは、ちゃんとした場所に書いておきたいですね
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そういうことじゃ。あなたの"らしさ"はすでにある。ただ、まだ知らない人に届く場所がなかっただけじゃ
エルくん
エルくん
"らしさ"は作るものじゃなくて、届ける場所を作るものでござるな
舵取社長
舵取社長
そうだ
阿留さん
阿留さん
なんか、すっきりしました。やることが見えてきた気がします
エルくん
エルくん
阿留さん、一緒に作っていくでござる!
阿留さん
阿留さん
はい、よろしくお願いします!

帰り道、スマホを開いた。

打ち合わせの帰り、阿留さんは車の中でふとスマホを開いた。自分の店のInstagramを見る。写真はきれいだ。おいしいという声はもらえている。でも、ここから「行こう」と決めるための情報が、どこにもない。営業時間も、予約方法も、アクセスも、お店がどんな思いで料理を作っているかも。

「そうか。出会う場所は作れていた。でも、決めてもらう場所がなかったんだ。」

スマホを閉じて、エンジンをかけた。明日からやることが、少し見えた気がした。

「行ってみたい」を「行こう」に変えるために

「Instagramはやっているけど、問い合わせにつながらない」というご相談はよくいただきます。SNSをしっかりやっているからこそ、次の壁にぶつかっている状態です。

SNSは出会いの場として機能しています。でも「この店に行こう」と決める瞬間に、人はもっと詳しく知りたくなります。そこに受け皿がなければ、その気持ちはどこかへ消えてしまいます。

Webサイトはすべてを更新し続けなくていい。あなたのお店の"らしさ"——こだわり、想い、どんなお客さんに来てほしいか——それを届ける場所があれば、SNSで出会った人が「行こう」と決めてくれます。伝えたいことが言葉にならなくていい。一緒に整理することができます。

よくある質問

Instagramのフォロワーが増えているのに、来店につながらないのはなぜですか?
SNSは「興味を持ってもらう場所」として機能しています。でも「行こう」と決めるためには、営業時間・予約方法・アクセス・お店のこだわりなど、落ち着いて確認できる場所が別途必要です。Webサイトはその「決断を後押しする場所」ともいえます。
以前Webサイトを作ったけど更新できずに放置しています。作り直す意味はありますか?
あります。すべての情報を更新し続ける必要はありません。メニューなど変わりやすい情報はSNSに任せ、Webサイトにはお店の「変わらない部分」——こだわりや想い——を置く設計にすることで、管理の負担を減らせます。
事業としてWebサイトを作り直したいのですが、何から相談すればいいですか?
「今あるものをどう活かすか」から一緒に考えます。現状のSNSやWebサイトを見せていただくだけで、次の一手が見えてくることが多いです。まずはお気軽にご連絡ください。

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