らしさについて
デザイナーを目指すきっかけは、前回のエントリ―でも触れましたが大学3年のときにMacを買って、自分でもできそうかもと思って。デザイナーって美大出ないとなれないんでしょ?って決めつけていたから、この時にそういう道筋が見えたのはとても大きな気づきでした。
で、自分が好きなデザインって何かなぁと、最初に浮かんだのはCDジャケット。大学時代の僕は狂ったようにメタルCDを買い漁る日々だったので(ただし、メタル系はダサいのが多い)。でも、自分でデザインにチャレンジしようと思っても、そもそもデザインの知識も技術も分かってないから何も作れない。見よう見まねでできあがる低クオリティの自主作品…。あのときの虚しい感じ、鮮明に覚えてるなぁ…。
デザインについてあらゆるジャンルに意識がいくようになると、あれがかっこいいな、これ素敵だなと思うのは、個性的で尖ったものが多くて。当時はデザイナーとアーティストの区別もないから、作家性(個性、自分らしさ)を表現できない自分ってダメだな、落ちこぼれだななんて勝手に悩んでいました。
それからなんとかデザイン業界に潜り込んで、毎日必死に実務をこなすうちに、自分は作家性のあるデザイナーにはなれないんだという自覚と、クライアントワークのなんたるを知ることで「向き不向き」を受け入れ、その悩みは解消されていきました(うらやましいという気持ちは一生続きますが笑)。今は、このサイトでも掲げているとおり「自分らしいデザイン」ではなく「クライアントらしいデザイン」をしたい、そう思っておりますです。