読書の秋
読書の秋ですが、新しい本を探してピンとこなくて…そういうこともあるよねと、再読の秋にしようかなと。何度も触れた本ですが『思考と行動における言語』。冒頭からフルで読むのは大変なので、8章「感化的コミュニケーションの言語」だけ熟読。
感化的コミュニケーションの大きな仕事 ― 他人の人生を書物の中で生きる(記号的経験)。
どういうことか。
僕らは外在的世界とコトバの世界との両方に住んでいる。他人の人生を書物の中で生きる=記号的経験の中であっても、深さと範囲と精妙さを増していくことで世界を正確に観察し、その観察を意味ある形に組み立てることができるようになる。その経験を積むことによって洞察力が豊かになる。
読書を通して、異なる状態・異なる時代における人間の性格と行動を、より充実したより正確な形で描けるようになり、人間同胞への共感を感じられるようになる。この発見があらゆる礼節ある人間関係の基礎になる―と。
もともと好きなことばかりで満足で、読書はそんなに好きではなかった僕が、大人になって読書をするようになったきっかけとなった章です。