自己矛盾劇場
「メタ認知」について理解を深めようと手に取った『自己矛盾劇場 ―「知ってる・見えてる・正しいつもり」を考察する』。ドキッとするようなあるある話が多くて苦笑いが止まらない…。
自己矛盾の三つの特徴。
①自ら気づくことはきわめて難しい。(が、他人については気づきやすい)
②気づいてしまうと、他人の気づいていない状態が滑稽でたまらない。
③他人から指摘されると「強烈な自己弁護」が始まる。
笑っている自分が、実は笑われている側かもしれない―。「知ってる・見えてる・正しいつもり」を考察する。
「あの人は、人の〈批判〉ばかりしている」という〈批判〉、これが自己矛盾。世の中に苛立ちと不毛な争いをもたらす大きな原因の一つがこの人間心理の負の側面であり、インターネットやSNSの発展によって表舞台にあふれるように出てきている。「知性の限界」ともいうべき「自己矛盾」が生まれる心理の歪みと社会構造との関係を身近な事例を取り上げながら模式・可視化。知の構造を見据えつつ、自分自身と対峙するための思考法を提示。
非メタのレベルでは賢者でありながら、メタのレベルでは愚者という自己矛盾劇場。メタ認知ができていると思っていたとしても、実はできていないことに気づかされます。抽象化やメタで考えるという人間の知的能力から生まれている自己矛盾からは、どうやら逃れることはできない。だから自己矛盾を理解し、利用すればいい。メタ認知の大切なポイントは、認知バイアスから抜け出し、「自分を一般化する」ために「他人を一般化してくなる」性質を逆手にとって、自分に向ければよい。なるほど。