SBW2018セミナー「ネット&リアル融合で変わるこれからの企業戦略」
企業のWebサイト活用を支援するプロジェクトとして「インターネットとこれからの社会」について学び、語る場を提供してくださっているSBWのセミナー「ネット&リアル融合で変わるこれからの企業戦略」に参加しました。(所用あって第2部から)
いつものように、気になったことメモ
第2部:イノベーション創出
講師:小林 弘人氏 株式会社インフォバーン 代表取締役
- 最先端じゃなくてもイノベーションは起こせる
- 編集的思考=Editorial Thinking。やりたいという意思が共感を呼ぶ。その逆(Template)は共感生み出さない
- Define定義する/Advocate支援する/Emphasize共感する
- Shape形にする/Attract引きつける/Sustain持続させる
- 観察→抽出→概念化=言語化=共感
- イノベーションは失敗への許容度による。失敗を繰り返し、小さな成功を喜ぶ
- 誰もが手に入れられる要素を用いるが、構成を変えて新たな価値をつくる
- また訪れたくなる一度だけの体験、それが希少価値であり新しいメディア
- 情報コモディティになった今、人は何を求めるか。コピー不可の経験
- 検索できないものを探す
インフォバーンさんといえば昔からサイトよく見ていたし、小林弘人さんの著書も何冊か読んでいるので雲の上感たっぷりなのですが、やはりそのお姿からにじみ出るオーラがすごくて。ひとことでいうとカッコいい。職業人として見習いたい!と、自分の職業観に照らし合わせて拝聴しました。僕はデザイナーではあるものの、デザインがやりたいというよりは編集的思考を活かせる手段としてデザイナーやってると捉えているところがあるので、自分の中で漠然としていた「編集」の概念が言語化され、抽象のはしごを降りてきた感覚があって、自分の思考を改めて整理してみたいなと思いました。「構成を変えて新たな価値をつくる」。クライアントに対してもそうですが、自分自身やチーム、会社の価値を高めていくのに必要なヒントがたくさんあったと思います。
第3部:地域戦略
講師:西谷 雷佐氏 株式会社インアウトバウンド仙台・松島 代表取締役
- 人は知ると考えることをやめる。固定観念
- コンテンツをプロダクトに編集する
- バケ the ride(爆笑)
- 観光コンテンツは「哲学」と「暮らしぶり」
- 本人が気づかない当たり前のことに価値がある
- あらゆる産業を巻き込んだ体制・仕組みづくりをする
- コミュニケーションが発生する場にする。ターゲットはコミュニティ
- どの地域も「うちは個性的」と思っているけど、あまり大差ない
- コミュニティ、エンターテイメント、双方の核は共感
- 暮らしぶりに気づき、糸と糸を紡ぎ、物語を編む
- 発信する前に世界の文化や習慣を知る必要がある
- 価値の認知度を上げる
- 観光が極まれば移住
「人は”知る”と考えることをやめる」。たしかに。その固定観念を覆し、西谷さんによって次々と生み出されていく観光コンテンツの切り口はまさに目から鱗の連続。「当たり前と思っていることに価値がある」とは、どこぞの歌詞にありがちな言葉ではあるけれども、これほどまでに説得力のあるお話が聞けるとは。特に終盤の外国人観光客による「そもそも日本旅行」のくだり。ディズニーランドの次に”電車で5駅”のUSJに移動しようとするとか、沖縄では白い恋人が売れているとか、どちらも日本人の感覚からすれば「?」である。でも、フランス旅行行ったら(どこにボルドーやシャンパーニュがあるか知らないで)ボルドーワインやシャンパン飲みたいと考える日本人を想像するのは容易だ。観光客にとって(一部を除いて)地名は関係なく、何があるか、何ができるか、何を食べられるか…を考えなければならない。大切なのはポジション。顧客は?ターゲットは?なんて日常でよく使うけど、もっとしっかり考えなくちゃと反省させられました。
お二方のお話とても面白くて、集中してステージに目と耳を傾け、頷き、笑い、そして書いたあっという間の2時間でした。今日も脳みそメモリがパンクしそうになりながら会場を後にしました。