NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

リメンバー・ミー

どのピクサー映画にも、観る人が納得し、理解し、楽しむ、その作品のルールというものがある。

「ピクサー流 創造するちから」を読んで、ピクサー映画が作られる過程の一端を垣間見ることができ、本に書かれているような内容を追体験できるんじゃないかなと思いながら、「リメンバー・ミー」を観に行きました。
「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」という設定、すごくよかったです。きっとこの設定についてもたくさんのスタッフによるブレイントラスト会議が開かれたのでしょう。展開がわかりやすいベタなストーリーでありながら、それでも心揺さぶられるのは、ひとつひとつの表情、ひとつひとつのしぐさが徹底的に作品のルールをトレースしながらの「なぜ?」に裏打ちされたものであるからだと感じました。ただスクリーンを見ているだけでなく、表情と行動に意識を向けて、その繊細さを味わうことができた気がします。
そんな理屈っぽいことは抜きにしても、やっぱりラストは、わかっていても、涙が出てしまいました。
ひとりのひらめきや天才的なアイデアでなく、チームとしてのクリエイティブが注がれているからこそと思わせてくれます。

ピクサー流 創造するちから――小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法
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