thee第11回公演『割愛』
長野市の演劇ユニット・theeの第11回公演『割愛』を観にいきました。今回もチラシのデザインを担当させてもらって、演出・長峯さんのオーダーで”引き離す様子”をビジュアルにしたのですが、実際の上演をみて『割愛』とはなかなかの残酷さをもった言葉なのだな…と感じました。
日常で使う「割愛」は、「惜しみつつ省略する」という意味合いで用いますが、ここではまさに「愛を割く」といえるでしょうか。大切な人を奪われた人たちと、それにかかわる人たちが織りなすものがたり。断ち切られたものを断ち切りたいのにそうさせてくれないのは世間様。(ネタバレになるので曖昧な表現ですが)こっち側とあっち側に割れたとき、こっち側に感情移入…と思いきや、あれ、こっち側に同情している時点ですでに立場はあっち側なのかな?あれ、あれれ?セットも展開もストーリーも、ねじれの時空に彷徨っている感じでした。
非常に深く重いテーマでありながら、忘れちゃいけない、喜劇も満載で爆笑シーンも多かったです。キャスティングの妙も見事すぎ。皆さんよかったですが、個人的には”喋る女”の役どころがよかったです。
今回も、”THE thee”なトラジコメディでありました。