LIFE SHIFT
この土日で『LIFE SHIFT』を一気に読了しました。平均寿命100歳の時代がすぐそこまで来ている。そんな100年ライフの時代を予測し、その恩恵に目を向け、どう生きていくかの人生戦略が記された本です。
「2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される」
「いま20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上ある」
えーそうなんですか…!? 自分が何歳まで生きられるのか想像したことはあまりないし、引退して燃え尽きたらどうしようという不安を抱えてるぐらいでしたが、こうやって引退後30年生きる可能性が高いという具体的な数字を見てしまうと、人生設計について真剣に考えざるをえません。それに気づいただけでも価値ありました。
この本では、従来の3ステージモデル(教育→仕事→引退)から、マルチステージ型に変わっていくと説きます。そこには以下のステージ、すなわち新しい選択肢・働き方が生まれてくるとのこと。
- エクスプローラー(選択肢を狭めず幅広い進路を検討する探検者)
- インディペンデント・プロデューサー(自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを生み出す独立生産者)
- ポートフォリオ・ワーカー(異なる種類の活動を同時に行う)
私たちが未知の行動に踏み出し、経験から学ぶ機会をふんだんに生み出す。古い習慣や行動パターンを問い直し、固定観念に疑問を投げかけ、人生のさまざまな要素を統合できる生き方を実験する機会になるのだ
なるほど、”新しい行動を検討する覚悟をもつ”ということです。
それから、これまで重視されてきた有形資産(お金・不動産など)だけではなく、無形資産が重要であるとし、スキルや専門知識、人間関係に投資し、必要な人材への備えが必要。両者の資産を充実させ、バランスを取って相乗効果を生み出していくことが大事だといいます。
私たちは、自分がどのような人間か、自分の人生をどのように組み立てたいか、自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させるかを一人ひとり考えなくてはならない。
仕事、お金、健康、時間、人間関係…。個人だけでなく、家族、企業、国、あらゆる立場と世代の視点で考えさせてくれる、示唆に富んだ一冊でした。僕自身は”学びと仕事”をベースに生きたいなと日々思っていますが、歳を重ねることで自分の可能性を狭めるのではなく、機会を生み出せる100年ライフの計画を立ててみたい。いい本に出会えてよかったです。
その他気になったところメモ。
- 余暇は、リクリエーション(=娯楽)ではなく自分をリ・クリエーション(=再創造)するために使う
- 専門特化した小規模なチームで柔軟な働き方をする人は、仕事と私生活の境界線が曖昧になる
- 自分についての知識は、変化を遂げるための道筋を示すことに加えて、人が変化を経験しながらもアイデンティティと自分らしさを保てるようにする役割を持つ
- 評判は重要な無形の資産
- 長く生きる時代には、自分と相性のいいものを見いだす資質がきわめて重要になる
- エイジとステージが切り離されれば、さまざまな年齢層が混ざり合う機会が飛躍的に増える
- 計画と準備の重要性が増すのは、個人の選択の幅が広がるから