NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

通説じゃないほうで

大坂の陣 豊臣氏を滅ぼしたのは誰か
相川 司 (著)
〆切本大阪冬の陣・夏の陣で豊臣秀頼、淀殿親子が自害し豊臣家は滅びる。方広寺の事件をいいがかりに徳川家康が仕掛け滅亡に追い込んだ。…というのが当たり前のような通説ですが、本書では「豊臣氏を滅ぼしたのは誰か」と謳い、家康ではない”ある人”が滅ぼしたと説く。しかも家康は豊臣を滅ぼそうと思ったどころか、親豊臣であったと。「大坂の陣」を予習したいと思って何冊か候補があったのですが、どうせならと迷わずこれを。”ある人”はそれほど意外性はないですが、書かれている内容にはとても説得力があり、納得するものでした。冬の陣・夏の陣それぞれの戦の首謀者は誰だったか、家康・秀忠親子はどのようなスタンスだったかなど、史料をもとに非常に興味深い見立てがいくつも散見されます。
クライマックスに向かう大河ドラマ「真田丸」の予習として、こういった通説を覆すドキュメントは想像力が何倍にも膨れ上がるし、”ある人”の見方も確実に変わりそう。豊臣方に参集した牢人の(確保と始末に手を焼いたことなど)諸事情が事細かに記されていることもあって、牢人目線で同化しながら…日曜20時がなおさら待ち遠しい。