NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

五輪書

五輪書 (岩波文庫)五輪書 (岩波文庫) 宮本 武蔵 (著), 渡辺 一郎 (編さん)
迷ったとき、壁にぶつかったとき、決断のとき…人生のさまざまな場面で拠りどころとなるのは、本。僕にとっての拠りどころは『五輪書』です。
「ある所をしりて、なき所をしる、是則、空なり」
「まよひの雲の晴れたる所こそ、実の空と知るべき也」
「空を道とし、道を空と見る所也」
高校時代に弓道をやっていたときのこと。特に的中率が高いときには自分の意識よりも「ここで離せば当たる」という気持ちが先行し、射法八節でいう「会」に至らぬままはやく離してしまうという早気(はやけ)という弓道特有の癖(イップスみたいなもの?)に何度も陥りました。常に平常心でいること、迷いをなくすことはなんて難しいのだろうというのが弓道を通じて得た学びです。
その後、大学時代のゼミで『五輪書』に出会い、上記の「空の巻」におおきな共感を覚えました。迷いの雲を少しずつ取り払っていくことが「道」に通じるのだと。
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」そんな心持ちを、仕事を通じて実践したいというのがベースにあって、その礎となる「ウルトラエル」を作ったことは自分でいうのもなんだけど武功ともいえます。実は「ウルトラエル」は名前先行で、キャラクターは後付けだったのですが、最初は「ウルトラ」に引っ張られてウルトラマンのようなトサカデザインでした。でもそれじゃぁあまりにも…ということで「U」を象ったちょんまげに修正しました。当時は顔だけのシンボルマーク的な存在だったのが、のちに身体をつくり、マンガを描き…という展開になったことを考えるとここの選択はとても大事だったことになります。そして『マンガ Webクリエイター・ウルトラエル』には、五輪書の兵法が何度か出てきます。

そういえば、宮本武蔵の生涯ははっきりわからないとされていますが、生まれたのが1584年なので戦国時代真っ只中。ちょうど小牧・長久手の戦いの年ですね。関ヶ原の戦いのときは”黒田如水に従い東軍として九州で戦った可能性が高い”ということを最近知ってビックリしました。