NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

黒田官兵衛の情報学(インテリジェンス)

黒田官兵衛の情報学(インテリジェンス)黒田官兵衛の情報学(インテリジェンス)
宮崎 正弘 (著)
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の視聴率がV字回復しているそうですね。目が離せない展開で毎週ハラハラドキドキ、まだ山場はこれからなのでもっと伸びるかもしれませんね。さて、ドラマが面白くなればなるほど、副読本も増えます。今週読了したのが「黒田官兵衛の情報学(インテリジェンス)」。
軍師として活躍した官兵衛は、”インテリジェンス”を駆使して戦いに勝ちまくる。ここでいうインテリジェンスとは、イメージ作戦・偽情報・宣伝工作・攪乱情報・偽造文書・調略などのこと。信長、秀吉、家康のそれぞれの視点から官兵衛のインテリジェンス戦略が論じられており、その三英傑のどんな才覚・将来性に自分の夢を託したのか、また、輝かしい戦歴(長政と57戦全勝)を勝ち抜いたインテリジェンス手法がさまざまなエピソードとともに紹介されていて飽きることなく読み進められます。戦国時代というと武力での戦いというイメージが強かったのですが、相当の情報戦略が勝負の行方を決していたのだということがよくわかりました。
官兵衛が生き抜いた時代の話題だけでなく、江戸時代、幕末、現代におけるインテリジェンスを多彩な視点で論じられており、例えば徳川時代の情報ネットワークの中心であった忍者を単なるスパイではなく、シンクタンク研究員、銀行アナリスト、証券会社エコノミストといった性質も持ち合わせていて、松尾芭蕉や伊能忠敬などはそのなかでも高級エリートだった…など、興味を引く話題が多くて知識欲を満たしてくれる一冊でした。