理系の子
理系の子―高校生科学オリンピックの青春
ジュディ ダットン (著), Judy Dutton (原著), 横山 啓明 (翻訳)
ソチオリンピックが盛り上がっているなか、高校生科学オリンピックの本を。書評サイト「HONZ」で年間ベスト第一位に選出された本で、面白いですよ~とおすすめしてもらったという、キュレーション+口コミでこれはもう即ポチ。
毎年アメリカで開催される、世界中の高校生が自由研究の成果を競う科学オリンピック(Intel ISEF – インテル国際学生科学技術フェア)を紹介したノンフィクション。各国の予選を勝ち抜いた「理系の子」が1500人が参加し、賞金総額は400万ドル、審査員は1000人という驚きの規模。
わずか10歳で独学で爆薬をつくり、ついには「核融合炉」なんてものを作ってしまった少年、喘息で苦しむ妹のために廃品から暖房を作り出した少年、小さな虫を手がかりに太古の地球環境を解明した日本人の少女…。単に研究やオリンピックの成果を紹介するのではなく、参加した高校生たちが、なぜ科学に魅了されたのか子どものころのエピソードや家庭の事情等を紹介したり、どうやって研究を進めていったのかのプロセスを追っているところが面白いです。取材が長きにわたって行われているので、著者の熱気もすごく伝わってきます。
自由な発想をもって、好きなことに一途に取り組む姿勢。それを取り巻く環境としてしっかりと家族や友人、先生がサポートしてくれたというのが感動的です。