デザインの仕事で最初に怒られたこと
最近、若者にWebを教えていることもあって、つい昔の自分を思い出してしまうんですよねぇ…。
大学3年を終えた時点で卒論以外のすべての単位を取得していた僕は、デザイン会社にもぐりこみたい気持ちと、時間を有効に使いたいという理由から新卒の就職活動をせず、中途採用雑誌を片手に(当時、Macデザイナーの求人数はものすごかった)東京の会社を数社まわって、皇居近くのデザイン会社に在学中ながら正社員として雇ってもらいました。それ以前に2か所でDTPのアルバイトをしていた経験もありましたが、デザインを学問として学んだことはなかったので、やる気とコンプレックスが拮抗してました。
その会社は体育会系でものすごく厳しく、ただただ怒られる毎日。あまりに仕事ができない自分に腹立たしく、いまだにその近くを通ったり当時聴いていた音楽に触れると、ほろ苦い気分になります。
最初に怒られたことは今でもよーーく覚えてます。郵便番号のマスをIllustratorでつくったときに、矩形のオブジェクトがほんの少し、数値はわからないけど、おそらく0.01mmぐらいずれていました。「てめぇ…!」先輩の怒鳴り声は外まで響く―。現実の世界で0.01mmなんて判別つくものではないけど、0.01mmだろうが0.0001mmだろうが、ずれているのは拡大すればすぐわかってしまいます。ガイドラインを引いてちゃんと作業すれば、そもそも0.01mmずれるとなんていうことは「ありえない」のです。てめぇ、適当なことやりやがって!というわけ。
「基準を決める」ことを学びました。矩形一つとってももちろんですが、作業だけでなく考え方とかも。
そうやって基準を決めておくと、無意識のうちに型にはまるようになりますが、それにとらわれすぎると「いつも同じ」基準でしか考えられなくなってしまう、ということも仕事を通じて学んだこと。特にWebデザインはそう。いくら綺麗に作っても、ロゴを変えたらどのサイトでも通用してしまうのでは単なる綺麗なテンプレート。ルールをしっかり据えながら意図的に「基準を変える」ことをしないとマンネリします。自分なりの勝ちパターンは持ちつつ、新たな勝ちパターンを得るには、いろんな基準を持つことが大事だなと思います。そしてそれって、仕事を通じてお客様から学ぶことが本当に多いんですよね。選り好みしてる自分に言い訳してるんじゃないかと、たまに反省します。