エア新書

2008年のエイプリルフールに公開された「エア新書」というサイトは、入力したタイトルが新書カバーとして表示されるというシンプルな企画で話題になりました。自分の名前で出版するとしたら、何というタイトルをつけたら”売れる”かなぁと、思った人は多いと思います。
そのサイトをヒントに、プロの編集者・石黒謙吾氏が著名人100人をネタに架空の新書を考案し、まとめたものを「新書」で出版したという本がこれ。
『球界の中心で愛をぼやく』 こわいカミサンの言うことを聞け／野村克也著
『口元曲げれば日本が変わる』 斬新なリーダー論／麻生太郎著
『先を読む人はなぜ寝癖がつくのか？』／羽生善治著
『ママでもできる大外刈りの技術』 男に襲われたら「狙うは金！」／谷亮子
『知識を増やしすぎた日本人』 それを知らなくてもOK牧場」／ガッツ石松
思わずクスッと笑ってしまうタイトルの連続で、”売れそうな新書タイトル”に導くための手法を垣間見ることができます。みんながよく知っている人をネタにしているため、視点を捉えてうまくアウトプットに導いていく企画力が素晴らしいことに気付かされます。そのプロセスは単なる思いつきやひらめきではなく、著者自身が考案した「新書の傾向と対策」のフローチャートに則ったりとメソッドが明確であり、クリエイティブ開発の勉強になること間違いなし、でしょう。

エア新書―発想力と企画力が身につく”爆笑脳トレ” (学研新書)
エア新書
@nifty：デイリーポータルZ：今年の”エアブーム”は『エア新書』か？