らしさとは?を楽しく学ぶ

ウル虎の巻

-八の巻-拙者は、このプリンがいいのでござる。

プリン一個が、ブランディングを教えてくれた。

価格も品質も、なんとなく似たり寄ったりで。「選んでもらえてはいるけど、なぜ選ばれているのかうまく言えない」という方は少なくありません。でも、その「なんとなく好き」の中にこそ、あなたの会社が選ばれる理由が隠れています。

この記事では、エルくんのプリン愛から、「あなただから」と選ばれることの意味を一緒に考えます。

浮かないエルくん

エルくん
エルくん
社長。拙者、今朝はちょっと、気分が乗らないでござる
舵取社長
舵取社長
どうした
エルくん
エルくん
……いつも買っているプリンが、売り切れだったでござる
舵取社長
舵取社長
他の買えばよかっただろ
エルくん
エルくん
いや!!拙者はいつものやつがいいのでござる!!
舵取社長
舵取社長
なぜだ
エルくん
エルくん
それはもう、口当たりが全然違うでござる!たまごのなめらかさが他とは段違いで、甘さが後に残らなくて、食べ終わったあとに「ああ、よかった」ってなるやつでござる!他では味わえないよさなんでござる、あと――
舵取社長
舵取社長
長い
ホウホウ長老
ホウホウ長老
エルよ。それがブランディングじゃ
エルくん
エルくん
長老!? ……え、プリンが、ブランディングでござるか???
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そのプリン屋が、お前に選ばれておるじゃろ。価格でなく、価値で
エルくん
エルくん
価値、でござるか
ホウホウ長老
ホウホウ長老
お前は「安かったから」そのプリンを選んでいるか?
エルくん
エルくん
違うでござる。むしろちょっと高いのに、それでも買いに行くでござる
ホウホウ長老
ホウホウ長老
それがブランディングの目指すところじゃ。「安いから」という消去法でなく、「あなただから」という積極的な選択。じゃな
エルくん
エルくん
たしかに。拙者、そのプリン屋のことが、「好き」なのでござるな

「好き」の正体

エルくん
エルくん
でも……「好き」ってなんか、ふわっとしてるでござる。ブランディングって、そんな感情的なことでござるか?
ベイ・ハクライ
ベイ・ハクライ
プディング・ブランディングでごじゃる

(誰も拾わない)

ホウホウ長老
ホウホウ長老
ふわっとしていい。むしろ、言葉にしにくい「好き」こそが本物じゃ
エルくん
エルくん
……なぜでござるか?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
言葉にならない「好き」は、比較されにくい。「このプリンは口当たりが◯点で、甘さが△点で」などと採点して選んでいるわけではないじゃろ?
エルくん
エルくん
たしかに。気づいたら手が伸びてるでござる
ホウホウ長老
ホウホウ長老
その「気づいたら」の状態を作ることが、ブランディングの本質じゃ

値下げしたら?

舵取社長
舵取社長
エル。たとえばそのプリンが、値下げしたらどう思う?
エルくん
エルくん
……うーん。なんか、やだでござる
舵取社長
舵取社長
どうしてだ?
エルくん
エルくん
なんか……「らしくない」気がするでござる。あのプリンは、ちょっと高いから特別感があって。それが好きなのでござる
舵取社長
舵取社長
そういうことだ
ホウホウ長老
ホウホウ長老
値段を下げると、一時的に売れることがある。だが、「あなただから」という理由は消えてしまうことが多い。安売りはブランドを傷つける。選ばれる理由は、価格の外側にあるのじゃ
エルくん
エルくん
じゃあ逆に、高くしたら?
舵取社長
舵取社長
中身が追いついてなければ、看板倒れだ
エルくん
エルくん
……それはそうでござる

では、会社のブランディングは?

エルくん
エルくん
プリンの話はわかったでござる。でも……会社のブランディングって、どこから始めればいいでござるか?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
まず「なぜ選ばれているか」を聴くことじゃ
エルくん
エルくん
誰に聴くでござるか?
ホウホウ長老
ホウホウ長老
すでにあなたを選んでいるお客さんじゃ。「なぜ選んでくれたのか」「他と何が違ったか」。その答えの中に、あなたの会社の「らしさ」が隠れておる
エルくん
エルくん
自分では気づいてないこともあるでござるな……
ホウホウ長老
ホウホウ長老
そうじゃ。らしさは「つくるもの」ではなく「すでにあるものを見つけるもの」じゃ。次に、それを言葉にする。最後に、言葉に合わせてデザインや発信を整える。この順番を間違えると、見た目だけ変えて中身はそのままになる
エルくん
エルくん
聴いて、言葉にして、整えるでござるな
ホウホウ長老
ホウホウ長老
うむ。先に言葉ありき、じゃ

よくある失敗

翌日、エルくんはクライアントのところへ出かけた。プリンの話でブランディングを理解した興奮が、まだ残っていた。

エルくん
エルくん
社長!今日のクライアントに、プディング・ブランディングの話をしたでござる!
ベイ・ハクライ
ベイ・ハクライ
なっ、それは拙者の
舵取社長
舵取社長
……何をした
エルくん
エルくん
「あなたのお客さんはそのプリンを選ぶようにあなたを選んでいるはずでござる!」と言ったでござる!
舵取社長
舵取社長
相手はどんな顔をしてた
エルくん
エルくん
……なんか、ポカンとしてたでござる
ベイ・ハクライ
ベイ・ハクライ
アナロジーのコンテキストトランスファーにおけるリレバンスギャップが生じているでごじゃる

(完全に無視)

ホウホウ長老
ホウホウ長老
Zzz…
舵取社長
舵取社長
自分が腑に落ちた話を、そのまま使っても伝わらない
エルくん
エルくん
……でござるか
舵取社長
舵取社長
相手にとってのプリンが何かを、まず聴いてなかっただろ
エルくん
エルくん
……あ。拙者、聴く前に話してたでござる(またやってしまった)
舵取社長
舵取社長
自分がわかった気になると、聴くのを忘れる。それが一番多い失敗だ

最後に

ホウホウ長老
ホウホウ長老
エルよ。お前がそのプリンを好きな理由を、最初から言えたか?
エルくん
エルくん
……最初は、「なんか好き」だったでござる。うまく言えなかったでござる
ホウホウ長老
ホウホウ長老
会社のらしさも同じじゃ。最初から言葉にできなくていい。「なんとなくいいな」というお客さんの感覚の中に、答えはある
エルくん
エルくん
自分のことを知ることから始まるのでござるな。かっこいいものを作ることじゃなくて「好き」って思ってもらうことでござるな!!

この記事のまとめ

拙者は、このプリンがいいのでござる。

「あなただから」と選ばれることは、「他と比べて安いから」「たまたま近かったから」という消去法の選択ではありません。比較を超えた共感——それがブランディングの目指すところです。

どんな会社にも、お客さんから選ばれてきた理由が必ずあります。まだ言葉になっていないだけで、その原石はそこにある。伝えたいことが今すぐ言葉にならなくても大丈夫です。私たちは、そこから一緒に整理できると考えています。

よくある質問

ブランディングって、何から始めればいいですか?
「なぜ今のお客さんに選ばれているのか」を聴くことから始まります。ロゴやサイトより先に、自分たちが選ばれている理由を言葉にすること。その言葉があってはじめて、デザインも伝わるものになります。
うちの会社には特別なものが何もないのですが。
それは多くの方が最初に感じることです。でも「らしさ」は新たに作るものではなく、すでにそこにあるものを見つけるものです。「なぜ選んでくれたのか」をお客さんに聞いてみると、気づいていなかった価値が出てくることがほとんどです。
安売りをやめると、お客さんが離れてしまいそうで怖いのですが。
価格だけで選んでいたお客さんは、もっと安い競合が出れば離れていきます。「あなただから」と選んでくれるお客さんは、価格では動きません。ブランディングは、そういう関係を育てることです。
-エルくんの挑戦 弐の巻- 社長の背中を、盗み見た日。 -九の巻- 社内の人が、一番信じてなかった。

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制作・監修

デザインスタジオ・エル

ブランディングデザイン会社|長野

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