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社内プレイリスト作成

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社内プレイリストを作ろう!

こんにちは、デザイナーの栗原です。

今回のプロジェクトは、メンバーが好きな音楽を持ち寄って共有プレイリストを作ろう!というもの。僕が主体となって行う初めてのプロジェクトということで、なんだか新鮮な気持ちです。さっそく始めていきましょう!

きっかけ

エルでは毎週末、ディレクション力向上を目的とした「週末ディレクション座談会」を行なっています。それぞれのメンバーが興味のあることについて話したり、個人で制作したものを共有したりとテーマは自由。メンバーの意外な面に気づくことも多いこの座談会で、僕は昨年から趣味で始めた無料CG制作ソフトのblenderで作ったものを紹介していました。

前回見せたのがこんな作品。缶詰の中に世界があるというイメージで、アルバムジャケット風に制作しました。

そのときに何気なく口にした「社内でオリジナルのプレイリストとか作りたいですよね〜」という僕の発言を受け、社長から「せっかくならやってみたら?」との提案が。そんないきさつで今回のプロジェクトが走りはじめました。

プレイリストのテーマ

さて、プレイリストを作るにしてもどんなテーマで作ればいいものか。とりあえずヒントを得るためネットで「社内プレイリスト」と検索したところ、「社員がよく聞く曲を集めて、最高のテレワーク用プレイリストを作る」という、株式会社ベイジさんのブログの記事がヒットしました。

ブログ内で紹介されていたのは「朝、爽やかな目覚めの曲」や「寝る前、気持ちが落ち着く曲」など、一日のシチュエーションに合わせてプレイリストを組むというもの。なるほど、場面やムードに合わせた選曲というのはいいアイデア。これは参考になりそうです!

そんなわけで、今回はSpotifyを使って4つのプレイリストを用意しました。

・slow-morning:起きがけの朝にぴったりな、スローで心地がいい曲
・easy-afternoon:いつも身近にある、ちょうどいい温度感の曲
・chill-night:夜に聞きたい、しっとりしたチルな曲
・awesome-party:テンションが上がってワクワクする曲

これらのテーマをもとに、メンバーに曲を追加してもらいます。どんな曲が集まるのか楽しみです!

カバーグラフィック

その間にプレイリストのカバーをCGで制作していこうと思います。プレイリストごとにカバーをつくる際、大事にしたいのが全体的な統一感。それぞれの世界観を表現しつつも主張はしすぎず、柔らかく包みこむようなグラフィックを目指します。

いろいろと考えた結果、ミニチュアのようなオブジェクトを用意し、光の加減を調整することで朝や夜などの雰囲気を表現することにしました。雪や花火なんかを追加しても表現に幅を出せそうです。

イメージはざっとこんな感じ。
これから形にしていきますので、続報をお待ちください!

製作過程

すみません、前回の更新からしばらく時間が経ってしまいました。

実を言うと、最初にイメージしたものは比較的すぐ形になっていたんです。
ただ、「エルのプレイリスト」として考えるとなんとなくピンとこない、いわば「違和感」があり、そもそもエルらしいコンセプトってなんだ?というところも含め模索していたところ、当初の想定よりもだいぶ遠回りをしてしまいました。

ここからの記事では、最終的なビジュアルまでの制作過程をざっくり順を追って見ていければと思います。

試作①

まずは最初に作ったものがこちら。ラフのイメージをもとに、ミニチュア感のある世界観で制作しました。

なかなかいい感じです。ほぼイメージ通り。
このまま細部を調整していけば想定していたものが出来る、そう思っていました。

ただどこかしっくりこない、何かを見落としている感覚が自分の中にあり
他の人の意見も聞きたかったので社内のデザイナーの一人に相談してみました。

「あの、これ作ってみたんですけど、どうでしょうか?」
「おー、いいね!面白いじゃん。」
「ありがとうございます!」
「…あ、でもこれさ〜」
「?」
「 モチーフが家なのって、何か理由あるの?」


………………
………………

………………
………た、確かに!

単純すぎる話ですが、思えば盲点でした。

「家のモチーフってなんとなくいいな」と思って進めてきたものの、そこには家が主役である「必然性」が欠けていました。
「エルのプレイリスト」として世の中に公表する以上、エルの「らしさ」を表現するような説得力のあるビジュアルでなければ、デザインの文脈からは離れてしまいます。

なんとか家を残す方向で考えてみたのですが、やはり違和感を拭い去ることはできず、泣く泣く最初の構想は取りやめにしました。


「これだ!」と思ったアイデアが潰れてしまったことで、ジャケット製作は振り出しに戻りました。
手間と時間をかけてきたものが白紙になるのはなかなか辛いことですが、仕方ありません。

コンセプトを練り直すところから再スタートです。

試作②

最初から始めるにあたり、まずは半ば目的化していた「3D表現」を見直すことに。表現方法からいったん離れ、情報を整理します。手始めにエルが持っている、あるいは対外的に持たれているイメージはなんなのか?それらをキーワードとして書き出すことにしました。

シンプル/スタイリッシュ/モダン/クラフト感/アナログ感/安心感/洗練された/品のある

ざっとこんなところでしょうか。続いて、これらのキーワードを感じさせるようなグラフィックを2Dベースで作っていきました。

まずは思いつくだけのアイデアを紙に書きまくります。使えるものもそうでないものも含め、とにかく「数」を出す作業です。
ある程度数を出したら、そこからは「質」に舵を切り、使えそうなアイデアをイラレを使って形にしていきました。

実際にイラレで作ってみたアイデアです。
メンバーに見せたところ、二つ目のグラデーションを使った案が好評でした。色の組み合わせ次第で表現に幅が出そうだし、抽象的で奥行きを感じさせるビジュアルは今回のコンセプトと相性がいい気がします。ただ、そのままジャケットにするにはやや単調な印象があるので、ここにもう一ひねり欲しいところ。

ここの「ツメ」が製作の大変なところであり、最終的な品質を左右する大事な工程でもあります。
さて、そろそろ記事も終盤。もうしばしのお付き合いをお願いします!

組み合わせ

グラデーションの案をもう一段階レベルアップさせ、説得力のあるビジュアルに落とし込むにはどうしたらいいのか。
いろいろと考えた結果、グラフィックを「音楽のモチーフ」と組み合わせることを思いつきました。

とはいえ、エルのイメージと合うものはなんだろう…?
シンプルでモダンで、クラフト感やアナログ感も感じさせる音楽のモチーフ。

答えはすぐそこにあるのに届かない。喉の奥に小骨が刺さっているような、そんなもどかしい感覚の中で四苦八苦していると、ふと部屋の片隅にあるレコードが目に留まりました。時代を越える普遍性、音楽を流すという目的のために洗練されたフォルム。

「レコード…これだ!」
自分の中でピースがはまる音がしました。

———みたいな、そんなドラマみたいなことはなかったんですが、(そもそもレコード持ってませんし)

「レコードならエルのイメージや今回のテーマにうまく重なるんじゃ…!?」
そう思い、さっそくblenderで形を作ってグラデーションのグラフィックをはめてみました。

それがこちらです。

2Dと3Dが組みあわさることで、なかなか面白いビジュアルになったと思いませんか?
さて、あとは残りの3つのプレイリストも同じように作っていきます。

完成

そんな経緯を経て、ようやく4つのプレイリストのカバージャケットが完成しました。
プロジェクトの開始からだいぶ時間が経ってしまいましたが、個人的には納得のいくものが作れたと思います。

こちらのプレイリストは公開していますので、それぞれのシーンに合わせてぜひ聞いてみてください。
エルのメンバーによってそれぞれ追加された楽曲は、同じテーマでもいろいろな価値観を感じられて楽しいと思います。

slow-morning:起きがけの朝にぴったりな、スローで心地がいい曲
easy-afternoon:いつも身近にある、ちょうどいい温度感の曲
chill-night:夜に聞きたい、しっとりしたチルな曲
awesome-party:テンションが上がってワクワクする曲

最後まで読んでいただきありがとうございます。
また次のプロジェクトでお会いしましよう!