美の構成学
妻がおもむろに本棚から取り出して読んでいた『美の構成学』。おぉ、懐かしい。これは僕が学生のころにデザイナー目指そうかというときに買った一冊。デザインと構成学の関係、学問としての構成と、暮らしのなかの身近な生活美学としての構成を結びつけるというはなし。デザインを学問として勉強していないというコンプレックスを、いくぶんか軽減させてくれたような記憶があります。
人間は古くから美しい形やプロポーションに憧れ、造形における調和の美を求めてきた。しかし、この美の摂理は長いこと伝統的な様式の踏襲と芸術家の直感に支えられてきた。一九一九年に創設されたドイツの造形学校、バウハウスで「構成」という理念がはじめて体系化され、教育に採り入れられた。ファッションや生活用品のデザインからコンピュータ・グラフィックスまで、様々な物の美を読み解く際の鍵となる造形文法「構成学」とは。
現代デザインでは左右対称のシンメトリーより、動きを予感させるような変化をつくることが肝心。視覚的な中心となる重心をつくること。UIデザインで自分なりに気をつけている「バランス」についての言及が腑に落ちる。美しさや構成を養うためのヒントがおさらいできそう。もう一度ちゃんと読み直す。