戦略プロフェッショナル
『戦略プロフェッショナル』実話をもとにしたシェア逆転の企業変革ドラマ。小説のようななビジネス書。初版は30年前とのことで、加筆して現代の時代にもあったものになっているとのことですが、めちゃくちゃ面白くて一気読み。不確実性のなか、いかにして戦略を立て、会社全体に浸透させ、社員の良さを引き出し、成果を上げていくか。そして、リーダーは重圧のなか迷い、決断し、鼓舞し、戦う。主人公とその部下たちがプロらしくなっていく様子に胸が熱くなります。いくつかのフレームワークの活用を織り交ぜながらシェア逆転へと向かうストーリーの中に織り込まれ、彼らの行動のポイントを各章末の「戦略ノート」で詳細を解説してくれるという本の構成もとてもよいです。
気になったところメモ。
- 日本企業に足りないのは戦略を実践で展開できるリーダー
- なまぬるい会社に共通した特徴は、社員のエネルギーが内向している。社外の競争に目を向けさせる
- 練達した経営者の場合、動物的なカンがある
- 経営者は常に何かが見えない状態で方針を決める。誰が見ても結論が明らかだというところまで待つなら社長はいらないということになる。カンで決めていく部分はかなり多い
- うまく説明できないけどこの先に何かある、という感覚を簡単に殺してはならない。
- 失敗によって見えてくる原因と結果のつながり=経営の因果律。カンのさえた人は因果律を実体験からたくさん知っている
- 権限委譲をしない会社はプランニングが育たないし、プランニングのない会社は権限委譲が進まない
- 組織の中にゆらぎが起こって一定のクリティカルポイントを超えれば、自己超越現象が起きて組織の進化になる
- 人間志向の経営者はもっと戦略志向に、戦略志向の人はもっと人間志向にと、互いに同じ壁を反対側に越える努力をしないと成長がない