教科書
大学でまなぶ日本の歴史
NHK大河ドラマ「真田丸」だいぶ盛り上がってきました。長いあいだ観ていると、過去ドラマでの登場人物の印象も薄れ、いま出ている役者での人物像でできあがってきます。誰がどの役をやるのか、勝者と敗者のどちらの目線で描かれるのか。それによって同じ登場人物であっても教科書で学んだこととぜんぜん違ってみえて、あらゆる解釈が楽しめるのが歴史モノの醍醐味です。
数年前のことですが、打ち合わせでNHKさんに行ってロビーで待っている間、棚にあったNHKテキストをパラパラめくっていたら、無性に教科書を読みかえしたくなりました。知識を詰め込むためのものでなく、社会にでてそれなりの「学び」を知るようになってからの教科書とはどんなものなのか。日本史では、ベストセラーになった「もう一度学ぶ 山川教科書」もよかったですが、いま「大学でまなぶ日本の歴史」を寝床で少しずつ読んでいます。
まえがきをみるだけでも興味深くて、一般的な日本史の教科書というのは、
・政治的な勝者を中心に書かれている
・日本の歴史がある一本の道を淡々と進んできたかのように書かれている
たしかにそうかもしれない。
そして、
・歴史は結果ではなく、可能性とその選択によって成り立っている
・歴史とは現在の視点に立って過去を分析し復元する作業
であると解く。各所に最新の研究結果が反映された歴史の教科書です。「天下人の挫折」として信長と秀吉の評があるなど。おもしろいです。