シンメトリーな構成美を堪能した『グランド・ブダペスト・ホテル』
楽しみにしていたウェス・アンダーソン監督の最新作『グランド・ブダペスト・ホテル』観てきました。さすがはウェス・アンダーソン!な素晴らしい映画でした。独特の映像美を持つこの監督の世界観をどっぷり堪能。特に、大きな特徴であるシンメトリー(左右対称)な画面設計がもたらす構成と動きの美しさにくぎ付けでした。シンメトリーにするために基本的に正面から撮っていて、さらに動きも水平垂直。その動きを表現するための様々な乗り物類に注目です。
「クイズ本」などデザインセオリー系のネタでもよく取り扱いますが、現実世界にある有機的なものには完全なシンメトリーは存在していないといわれており、ゆえに人はシンメトリーに対して潜在的な美しさを感じるそうです。自分ももともとシンメトリーの構図が好きで、例えばWebデザインでもセンターを軸にレイアウトすることが多いような気がします。
それ以外にも、独特な色使い、こだわった小物類やインテリア、個性的なキャラクター、オーバーで不自然なんだけど突っ込むほどでもない小ネタ満載具合…などなど隅々まで楽しめる映画でした。エンディングロールも最後まで観たほうがいいですよ。