NoteWebディレクター・ハラヒロシのブログ

Facebook 世界を征するソーシャルプラットフォーム

Facebook 世界を征するソーシャルプラットフォームアメリカに留学中、リアルタイムにFacebookが世界を席巻していく様子を目の当たりにした筆者が、Facebookの魅力を余すことなく書いています。実体験としてその潮流を見ているだけあって、この巨大なSNSが勝ち残った理由を「リアル」、「クール」、「ムーブファスト」と表現しているあたりが臨場感たっぷり。
人間はつながっていたい生き物。テレビを見ながらわざわざTwitterやFacebookでつぶやく”ネオ茶の間”には「共感」が形成されていて、いままでそういったツールはなかったわけです。このプラットフォームに慣れてしまうと、これがもう当たり前になってしまうし、今までの生活や消費行動が変化していくのは明らか。(実名主義の)人間関係を可視化したソーシャルグラフが、6億という人間で構成されていく。これは本当にすごいことです。
メディアやマーケティングの視点で消費行動のプロセスを考えた場合、「AIDMA」→「AISAS」を経て、いまは「SIPS」だといいます。Sympathy(共感)、Interest(興味)、Perticipation(参加)、Share(共有)※1。そこにはすでにAttentionもActionも、Searchすらない。もう驚きです。これからは「顧客とどうつながるか」が重要になる。「注意喚起」ではなく「共感」からスタートし「参加したくなる仕組みづくり」が大切と説く。従来のコミュニケーションの形ではもう成り立たないのです…かね。
「新ソーシャルメディア完全読本」では”サザエさんに出てくる三河屋酒店の御用聞き「サブちゃん」”に例えたとても人間的で暖かい印象を受けたけど、本書でも、インターネットのルネサンス、「人間復興」と表現しています。ソーシャルメディアの世界の到来は、なかなかいいものだなーと思わせてくれます。
Facebookの成り立ちやザッカーバーグの哲学もしっかり記されており、内容そのものも面白くて、読み物としてとても楽しめました。デザインもそうだけど、世の中で起きていることを、輪郭や形としてとらえる。Facebookがもたらす新しい社会がつくる、輪郭をしっかりと見せてくれる本だと思いました。
※1電通「サトナオ・オープン・ラボ」が ソーシャルメディアに対応した消費行動モデル概念『SIPS』を発表。『共感する:Sympathize → 確認する:Identify →参加する:Participate →共有・拡散する:Share&Spread』と整理しています。
url サトナオ・オープン・ラボ | Dentsu Online

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